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前社長である父が亡くなって、1年が経とうとしています。あっという間の1年でした。
暑い長い夏が終わってやっと涼しくなり、クリスマス・お正月もなく、その間に私も一つ歳を取って気がついたら人生のターニングポイントの年齢になっておりました。

お父さん、この1年間本当にいろいろな事がありましたネ。辛く苦しい事・口惜しい事の方が多かったけれど、コイン商としての喜びも経験させて頂きました。
父が亡くなってすぐ、如何にも父と懇意にしていたような振りをして不当な値段でコインを買おうとしたり、騙そうとしたりした人達。少なくともコインを愛している人達が、こういう仕打ちをしようとする事が悲しく情けなく、又、女である事がこれ程甘く見られるのかと思うと、残念でなりませんでした。ドラゴン商会を守る事に必死でした。(道理で気も強くなるわけだ。)

どう足掻いても越せない、いえ追いつく事さえできないお父さんのコイン商としての知識−わかっていたけれど少しでも近付こうと毎日ルーペでコインを見ても確証が得られず、情けなさに途方に暮れる日もありました。見れば見るほど奥が深く、1度はスランプにおちいり、疲れ、全て贋物に見える時もありました。

「あー、お父さん、コイン商やめたいよ。何で私に全部任せるなんて言ったんだよ。」

そんな繰り返しの毎日の中、父が懇意にしていた先輩にお会いすると、

「どう元気でやってる?」

と、必ず心配してくださる方がいらっしゃいました。

「うーん、元気は元気なんですけれど、わからない事が多くて、1枚の天保銭に2時間かかっちゃう事もあるんです。」

「そんな事はよくあるよ。でもネ、朝5時頃フト目が覚めて、昨日わからなかった事に突然確証がつかめ、急いで店に行って納得する。そんなもんだよ。」

又、ある先輩は

「どう、古銭商は楽しい?」

「うーん、苦しい事の方が多いかナ?」

「でも、自分が気に入って仕入れたコインが売れると嬉しいでしょ?」

「はい、それはもう!」

「それだよ。その繰り返し。それがわかればいいんだよ。古銭商としてはそんなもの。」

そうか、そうか。私だけじゃない。父も先輩方も皆努力してきたんだ。たかだか20数年コイン商をしてきたからといって、父のようにわかるはずもない。驕らず、焦らず、初心に返ろう。20数年間父から真正品を見せてもらったという感性を大事にしよう。

古常平、おまえはあの素晴らしいコインとの出会いを忘れたか?あの感動を忘れたか?

お前を選んでおまえの許に来てくださったのだよ。コインがおまえを選んだのだよ。その事を忘れるな。
父が生前いつも言っていた事があります。

  • 少しでも自分が納得できないものは店に出すな。
  • 自分だけが儲かろうとするな。
  • 物事には良いも悪いも程々という事がある。
お父さん、確かにその通りです。そして今、私はどんなに父に愛されてきたか、父がどんな思いでドラゴン商会を私に託したのか考えると、改めて感謝の念に絶えません。
販売・買い取り・事務、毎日忙しい中で、1日1回は必ず自分の為にルーペでコインを見る。1日1つでもいいから新しい確証を掴む。でもネ、お父さん、私が夜一人でコインを見てると、私の後ろをスリッパでウロウロしないで、童話の『小人の靴屋さん』じゃないけれど、この寛永銭と天保銭の山、朝起きたら全部分けておいてくれないかナ−。

「バカ!自分でやれ。俺は寛永銭をドラム缶5杯は見たゾ。だからお前はまだまだなんだ。」

そういう父の声が聞こえてきそうです。
お父さん、ちづるは頑張るから見守っていてネ。

平成17年5月1日
ちづる 名前: ちづる
生年月日: 年齢不祥(ということにしておいて)
趣味: パチ○○(大きな声じゃ言えないが)
好きな食べ物: お寿司・ライチ(楊貴妃が好んで食べたから)
好きな時間: 仕事が終わってビールを飲む時
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